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子どもたちの笑顔のために「おとな」にできること【いじめ防止シンポジウム】を開催しました

未来を創るかけがえのない子どもたちがいじめによって悩むことなく、健やかに成長することができるように、学校、行政、家庭、地域の力を集めて社会全体でいじめ防止に取り組むためのシンポジウムを開催しました。

いじめ問題の日本有数の研究者による講演や、小・中・高校生と地域住民、保護者、学校関係者らによるパネルディスカッションなどを行いました。

日時

令和元年11月16日(土曜日)11時30分から16時30分まで

会場

仙台国際センター 会議棟2階(大ホール・大会議室「橘」)

当日の主な内容

講演・パネルディスカッション・トークセッション

第一部 講演
「子どものいじめにおとなとしてどう関わるか」
【講師】鳴門教育大学教職大学院教授 阿形恒秀氏

第一部講演の様子
第一部講演の講師の阿形恒秀氏

・いじめ問題を考えるにあたっては、禁止・抑止・管理の「対策論」だけではなくて、子どもの成長支援と集団育成の「教育論」として考えることも重要である。
・子どもがおとなになるためには、「自分らしさの確立(私のものがたり)」と「同世代の仲間づくり(みんなのものがたり)」という連立方程式を解いていく必要がある。
・しかし、この課題は簡単に達成できないので、自分のプライドや安定をおびやかすものに対する攻撃としてのいじめや、誰かをスケープゴート(身代わり)にして偽りの仲間意識を持とうとするいじめなどが起きることがある。
・いじめについての責任は、「責任はだれにあるか=自分を棚上げにした悪者探し」ではなく「わたしの責任で何ができるか=わたしにできること探し」という姿勢で考えることが大切である。
・また、子どもは自立(大人の手を借りずに自分で解決すること)という課題にも直面しているので、いじめられていても、「わかって欲しい」と「知られたくない」の葛藤、「助けて欲しい」と「手を出して欲しくない」の葛藤を持っていることを理解する必要がある。

第二部 パネルディスカッション
「おとなにしてほしいこと」「おとなにできること」「自分たちにできること」

【コーディネーター】阿形恒秀氏
【パネリスト】木山和可菜さん(小学生)、宮澤正希さん(中学生)、安藤まなさん(高校生)、石川裕美氏(仙台市立芦口小学校長)、志賀猛彦氏(仙台市PTA協議会会長)、阿部東悦氏(仙台市地域ぐるみ生活指導連絡協議会会長)

第二部パネルディスカッションの様子

【おとなから「いじめ対策の取組について」】
・地域では、見守り活動などを行っている。
・親として、自分の過去の経験などを伝えている。
・学校では、家庭や地域とともに、温かい人間関係づくりを目指してあいさつ活動に取り組んでいる。

【子どもから「おとなにしてほしいことについて」】
(地域について)
・小さい頃、見守り活動をしている地域の人たちに声をかけられたことがうれしかったが、最近は地域の人たちとの交流が減っていると感じる。

(学校について)
・授業の中でいろいろな人と交流ができるグループ活動を増やしてほしい。
・学校で、相談窓口のチラシなどが配られるが、その重要性などを説明しながら配ってもらいたい。

(全般について)
・子どものためにおとなが行っていることはとてもうれしいが、何をしているのか知らないことも多い。だから、いろいろな取組を発信してほしい。
・いじめについて、おとなだけ、子どもだけで会議をしているので、おとなと子どもが一緒に話し合えるものが良いと思う。
・困ったときにすぐに相談できる雰囲気をつくってほしい。
・身近な人に聴いてもらいたくないが、他の人には聴いてもらいたいときがある。

【おとなから「今後新たにできることについて」】
・おとなが行っているいろいろな取組を発信していくことは大切だ。
・クラス内のグループ活動だけでなく、異学年の交流や校種を超えての交流を増やしていきたい。
・おとなと子どもが一緒に話し合える場、子どもがおとなに相談しやすい場をつくっていきたい。

【子どもから「自分にできることについて」】
・子どもだけでは限界もあるから、子ども同士でうまくいかないことはおとなに協力をもらう。
・いじめをしないという意識を持つ。
・いじめ防止のポスターを作る。
・ストレスがあるといじめが起こりやすくなるので、発散できるものを持つ。

【阿形氏から:感想】
・(おとなの論理だけで考えるのではなく)「子どものことは子どもに聴く」ことの大切さを改めて感じた。
・徳島県で開かれた小中学生によるいじめ問題に関する話し合いで、苦手な人との接し方について、一人の生徒が「そのような人とは距離をとる」と答えていた。元宮城教育大学副学長の菅野仁さんも、「みんな仲良く」ではなく、気の合わない人とも傷つけ合わずに過ごせる関係を目指すべきで、「親しさか、敵対か」の二者択一ではなく「態度保留」という真ん中の道を選ぶことも大切だと述べている。
・今日も、児童生徒の代表の3人の皆さんの意見がとても印象的だった。

パネルディスカッションコーディネーターの阿形様

【子どもから:感想】
・学校のリーダーという立場になって、おとなの気持ちや大変さがわかった。大変だからあきらめるのではなく、目的を達成するために頑張るということを学んだ。
・いじめについて難しく考えるのではなく、一人一人が小さなことにも意識を向けることが大切だと思った。
・いじめが起こらないように、どんな工夫ができるか考えていきたい。

パネリストの安藤さん
パネリストの宮澤さん
パネリストの木山さん

【おとなから:感想】
・子どもたちと話し合って、改めて、学校の先生は子どもと一緒に創造的に楽しく活動することだと感じた。
・子どもたちが本当によく考えていると感じた。おとなももっと頑張らなければならないと思った。
・あいさつが大切だと感じた。あいさつができればいじめも無くなっていくと思う。

パネリストの石川様
パネリストの志賀様
パネリストの阿部様

【第三部 トークセッション】
「スポーツができること!スポーツのチカラが笑顔をつくる」

【登壇者】

大坂ともお氏(SC.FIELD代表理事/元ベガルタ仙台スタジアムDJ)

千葉泰伸氏(Playground community/元マイナビベガルタ仙台レディース監督)

中田麻衣子氏(solufaction代表理事/元なでしこリーガー)

トークセッションの大坂様
トークセッションの千葉様と中田様

【指導者としてのポリシー】
・上手い人もそうでない人もいる中で一人一人を理解することを大切にしている。
・コミュニケーションが大切。特に、初めて出会った人同士がつながることを心掛けている。

【スポーツで得られるもの】
・コミュニケーション力が身につくこと。
・仲間の大切さを学べること。
・フェアプレーの精神が学べること。
・相手を尊敬できるようになること。

【今後の展望】
・子どもの育成に携わっていきたい。人はずっと現役選手でいることはできないから、その先も見据えた人材育成をしていきたい。
・「笑顔」は連鎖すると思っている。スポーツを通して、笑顔を増やす活動をしていきたい。

【来場者へのメッセージ】
・自分が楽しめれば相手を楽しませることができる。おとな自身が楽しんでほしい。そのことが子どもに対しても良い影響を与えると思う。
・笑顔は、自分も相手も豊かにできるもの。スポーツに限らず、それぞれが、笑顔を創出できる取組をしていただけたらと思う。

展示・交流広場(会場:大会議室「橘」)

パネル展示・体験コーナー・ゲームコーナー

いじめ防止等対策に関する団体の活動内容を紹介するパネル展示、市民図書館による「いじめ・命に向き合う本」の展示を行いました。また、学生ボランティアによるオリジナルのエコバッグづくりや、お手玉・けん玉などの昔遊び、テーブルゲームといった体験型のイベントを実施しました。

パネル展示の様子

在仙プロスポーツチーム3球団コラボイベント

ベガルタ仙台、東北楽天ゴールデンイーグルス、仙台89ERSの在仙プロスポーツ3球団のチアリーダーによるコラボステージ、チア教室を開催しました。ベガッ太くん、クラッチ―ナちゃん、ティナくんも来ました!

チア教室の様子

来場者からの声(来場者アンケートより一部抜粋)

・他責思考ではなく「自分たちは何ができるか」という視点、現代社会において大きくかけている大事な視点だと思います。
・子どもたちの発言のすばらしさに感動しました。そんな子どもたちが笑顔でいられるよう親として大人として出来る事を増やしていきたいと思いました。
・市、学校、地域社会が見守っていくことがいじめ防止につながり、こうして見守っていくことが子供の未来を支えていくのだと感じました。
・子は親の鏡といいますから、親も子供の前では真摯に行動することだと思います。
・私の子どもが、小学校、中学校、高校に上がった際、もしこうした場面が起きてしまったら気付いてあげられるかどうか。相談してあげられるかどうか。親として不安があります。子供にはしっかりコミュニケーションを取っていきたいと感じました。

シンポジウム開催後の広報啓発

シンポジウム当日の様子をまとめた新聞広告を掲載しました。

※データ掲載については、河北新報社の承諾を得ています。