2026年7月29日
イベント・セミナー
令和8年度いじめに関する市民セミナー「こどもたちの笑顔のために、私たちができること」を開催しました
令和8年7月12日(日曜日)、いじめに関する市民セミナー「こどもたちの笑顔のために、私たちができること」を、
公益財団法人 明治安田こころの健康財団様との共催で開催しました。
教育・心理支援の分野で幅広く活躍されている明治大学文学部教授の諸富祥彦さんに、「いじめにあった子を守るために」という題材で
講演をいただきました。
開会・市長あいさつ
講演「いじめにあった子を守るために」
講師:諸富祥彦氏(明治大学文学部教授)
講演内容
参加者のみなさまでのグループワークや諸富先生の体験談を交えながら、いじめにあった子を守るために大人ができることを中心に
お話いただきました。講演の内容を一部ご紹介します。
●なぜ、いじめはいけないのか
・いじめがいけない最大の理由は、いじめられた子の人生が変わってしまうから。
・小中学生時代にいじめを受けた経験が原因で自己肯定感が持てず、友達ができない、社会に出られないなど、
その後の人生に大きな影響を受け、大人になってもいじめの後遺症から脱出できない人もいる。
●リレーションと援助希求の重要性
・リレーションとは
リレーションは、「自分は関心を持ってもらっている」というつながり、気持ちと気持ちの温かなつながりのこと。
リレーションがないと、辛いことがあってもこどもは心を開いてくれないことから、いじめ予防のために非常に大切。
・援助希求とは
援助希求とは、援助を自分から望んで求めること。
大人は、こどもにSOSを出してもらえるように、「この人に相談したい」と思える人になる必要がある。
●大人にできる、こどものこころのケア
・いじめられた子のために大人にできることは、話を聞くこと。
自分がいじめられていることを話すのはとても勇気のいることなので、話をしてくれた時には、
まず、「勇気を出して相談してくれてありがとう」とねぎらいの言葉をかけて褒める。
そして、「あなたのことを絶対守る」と伝えて安心させる。
そのあと、こどもの気持ちを傾聴して、事実確認をし、もう一度ねぎらいの言葉をかけるという流れで話を聞いていく。
・こどもが相談してくれた時、以下の言葉はいじめられた子を追い込んでしまうため、絶対に言わないこと。
①あなたにも悪いことがあるよね
②あなたが気にしなければ済むことでしょう
③あなたがもっと強くなりなさい
④あなたの思い違いじゃないの?
●いじめの本質とは
・いじめの本質は、この人はいじめられても仕方がないという「空気」。
「空気」を変えるために必要なのは、周りの人たちが傍観者にならず、「何かおかしい」という違和感をごまかさないこと。
・違和感を感じたときに「まあいいか」と流すといじめは蔓延しやすい。
・いじめの「空気」に立ち向かうことができるのは、いじめられている本人ではなく、少しでもパワーの残っている周りの人たち。
●傍観者を脱するには
・傍観者の心の中には、以下の四つの心がある。四つの心は全ての人にあるため、いじめは誰にでも起こりうるし、傍観者になりうる。
①いじめられている子を笑う気持ち
②いじめは良くないと思う気持ち
③いじめを見なかったことにしようと思う気持ち
④本当に何もしなくていいのかと思う気持ち
・自分の中の「何かおかしい」という違和感をもとに、小さな「自分にできること」を見つけていくことが突破口になる。
例えば、いじめられている子に声をかける。このままでは嫌だと思う子が集まっているときに、違和感を表明する。
小さなことの積み重ねで、少しずつ「空気」が変わっていく。
来場者からの声(来場者アンケートより)
- ・グループワークによってより理解が深まったと思います。リレーションによって相手に安心感を覚えてもらうことが相談への第一歩であるとよくわかりました。
- ・いじめで悩んだ時にすぐ相談できるコミュニケーションが必要だと実感しました。学校だけではなく、保護者もいじめに普段から関心を持って見守っていけたらいいなと思います。
- ・いじめについて、周囲も傍観するのではなく、小さなことでも被害者の気持ちになって考え、行動していくことが大事だなと感じました。