「大切なあなたへ」親から子への思いつづる いじめ未然防止にスクラム
令和4年11月13日、仙台市役所前市民広場で第19回仙台市PTAフェスティバルが開催された。
令和2、3年は新型コロナの影響によりオンラインのみで実施したが、令和4年は3年ぶりの対面とオンライン併用での開催となった。
ステージでは令和4年度「『大切なあなたへ』標語コンクール」の審査結果発表と表彰式が行われた。親がわが子を大切に思う気持ちを標語で伝えることがコンクールの狙いだ。
子どもは自分が大切な存在だと実感することで、自身だけでなくまわりの人も大切にする心が育まれ、いじめの未然防止につながる。
応募総数182点の中から入賞6点が選ばれ、長町小・伊東優子さんの作品が最優秀賞に輝いた。
うちでは 背伸び
いらないよ
頑張ってるの
知っているから
伊東さんは今年小学校に入学したばかりの長女への思いをつづった。
「慣れない学校生活や勉強、プレッシャーの中で毎日すごく頑張っている。その分、家では思いっきりリラックスしてほしいという気持ちを書きました」と話す。
家では子どもが何でも話せる環境を心掛け、どんな話でも遮らずに最後まで聞くようにしているそう。
些細な変化に気づけるよう、普段の様子もよく観察する。「私も親として同じ一年生。一緒に頑張りたいです」。
フェスティバルには、小中学校のPTAや各種団体が飲食物や体験などを提供するブースを出店し、多くの人でにぎわった。ステージでは児童・生徒が吹奏楽や合唱、ダンスなどで日頃の成果を存分に披露した。
主催した仙台市PTA協議会の高橋由臣会長は、「学校と地域、保護者が顔を合わせて集い、協力し合うことが、子どもの日常を支える力になる」と対面開催の意義を強調する。
感染が完全に収束しない中での開催に反対意見もあったが、話し合いを重ね各方面の協力を得て、感染対策のもと開催にこぎつけた。
「安全に開催できたという実績によって、各地域のPTA活動を後押しできるとうれしい」と話す。
高橋会長が注目するのは、近年広がりつつある「コミュニティ・スクール」。学校運営に地域住人の声を直接生かす仕組みで、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めることができる。
「この取り組みが根付けば、学校をフィールドに地域活動が深まり、登下校中や放課後の子どもをもっと多くの大人が気にかけるようになる。地域の大人が温かく子どもたちを見守ることが、子どもの安心できる居場所づくりにつながり、いじめを少なくするのでは」と高橋会長。
地域と学校の新たな展開に期待がかかる。