言葉の持つ力を信じて 元世界チャンピオンによる – 未来応援プロジェクト –

 仙台市出身の元日本代表体操選手である亀山耕平さんは、あん馬のスペシャリストとして、オリンピックを含む計4度の日本代表に選出され、世界大会で金メダル、銀メダルを獲得している。
 2022年に現役を引退し、2024年現在は、日本体操協会公認のコーチを務めながら、「子どもたちの可能性を広げ、成長に貢献する活動をしたい」という思いのもと「未来応援プロジェクト」を立ち上げ、小中学校を中心に講演を行っている。
 今回は、仙台市内の小中学校での講演の様子を取材した。

 あん馬で世界チャンピオンになり、2020東京オリンピックの日本代表選手にもなった亀山さんだが、順風満帆なアスリート人生ではなかった。
 「お前には無理だ」「才能がない」「諦めろ」と言われ、悔しく、心が痛むこともあり、そのようなときは、そういった言葉は聞き流し、「可能性しかない」と肯定的に考えるようにしてきたそうだ。

亀山さんが説明している写真
※幼少期からたくさんの夢を持っていたこと、前向きな気持ちを持ち続けたことを語る亀山さん

 亀山さんは「言葉には目には見えない力があり、肯定的な声を掛けることは、心によい影響を与えます。成長期である子どもたちにとって、言われてうれしい言葉を掛けられる経験の積み重ねは特に大事です。自分を大切にし、自信を持ち、やる気が高まっていくと思います」と語る。

インタビューを受ける亀山さんの写真
※子どもは可能性の塊、未来の希望、未来の力と熱く語る亀山さん

 オリンピックの選手村では、選手同士で「一緒に頑張りましょう」「応援しています」などの温かな言葉が交わされ、大きな力になったそうだ。
 「他の人を応援すると自分もうれしい気持ちになるし、自分も応援される。応援されることで、自信、やる気が高まる」という「言葉の持つ力」である。
 そのため、未来応援プロジェクトにおいて、亀山さんは子どもたちに「応援する人になろう、応援される人になろう」と語りかけている。

児童の夢を応援する亀山さん
※児童の夢や頑張っていることを聞き、「心から応援するよ!」と声を掛ける亀山さん
児童に説明する亀山さんの写真
※亀山さんは、応援し、応援される気持ちを実際に感じてもらうため、先生と児童がお互いに応援し合うことを提案した
児童を応援する教員の写真
※担任の先生が各クラスの児童の前に立ち、「君たちを応援しているぞ!」「できるぞ!」など児童を応援
教員を応援する児童の写真
※応援を受けた児童たちは「先生頑張って!」「いつもありがとう!」など、担任の先生に大きな声援を送った

 亀山さんは「未来応援プロジェクト」の活動を通じて、子どもたちに夢や可能性の大きさを伝えるとともに、言葉を大切にすることを伝え、自分を大切にし、周りの人も大切にする心を育んでいる。
 子どもたちの未来を応援するため、亀山さんの活動は続いていく。

児童に声をかけながら握手する亀山さんの写真
※未来応援プロジェクトの最後、児童一人一人に「思いやりの心をもって、やさしくね!」「友達を大切にね!」など前向きな言葉を掛ける亀山さん
児童から亀山さんへの手紙
※未来応援プロジェクトに参加した児童から亀山選手に向けた手紙